『理想のカラダをデザインする革新的な次世代型ワークアウトメソッド』
フィットネストレーナー、
さとう式リンパケアインストラクターのTAKAです。
ストレッチをするのは、「気持ちが良いから」「運動前の習慣になっているから」「こわばった筋肉をほぐすにはストレッチが良いから」など、さまざまな理由があります。
しかし、ストレッチについて知られていることのほとんどは、希望的観測や古臭い知識に基づいています。
その結果、ストレッチ法の数々は間違ったものになり、まったく見当はずれな目的でストレッチをしてしまっている場合が多いのです。
ストレッチは古い習慣や神話にまみれています。
言ってみれば、「部分やせ」という"神話"と同じようなものです。
どちらも、広く信じられているこうした神話には、科学的根拠がないのです。
ストレッチの効用について、実は言われているのとは逆効果になる場合も多いのです。
ストレッチはケガの予防にはなりません。筋肉痛にも効かないどころか、ストレッチのやりすぎが、かえって筋肉痛を引き起こす場合もあります。
運動前にストレッチをしても、運動のための準備としてはほとんど役に立たないうえに、いざというときに力が出せなくなります。
ストレッチをすること自体が、筋繊維にダメージを与えている可能性があります。
筋繊維は伸ばすと傷つきます(逆に、収縮させるぶんには、損傷の原因にはなりません。ただし、収縮を頑張りすぎると過緊張の原因になり、固く縮んだ状態になりやすいです)
肉離れ(筋違い)でも、筋肉痛と似た痛みがあるため、同じ対応をとる人が少なくありません。
つまり、痛みのある筋肉をストレッチしようとするのです。
でもこれは、「筋肉痛にストレッチ」以上に、やってはいけないことです。「離れ」てしまった筋肉は、元通り絡みあった状態へ戻る必要があります。ストレッチをすると、そのプロセスが阻害されてしまうのです。
ストレッチで力が出なくなる
運動前の準備運動の一環としてストレッチを採り入れていると、いざウェイトリフティングや瞬発的な動作をするときに、ストレッチをしなかった場合よりも力が出せなくなります。ただし、こうした影響が残るのは数分のことで、長く見積もってもせいぜい30分程度のようです。
これを確認するため、ジャンプのようなシンプルな運動を対象として、研究が行われました。ストレッチをしたあとにジャンプすると、しなかった場合と比べ、高く跳べないという結果が出ています。
これらの研究結果が、実際の運動にどこまで当てはまるかは、はっきりとはわかりませんが、科学誌『European Journal of Applied Physiology』に発表された記事によると、短時間、軽めにストレッチをするだけなら、パフォーマンスを向上させる場合もあるとのことです。
「ダイナミック・ストレッチ」が人気になっているのには、おそらく、これらの研究結果も関係しているのではないかと思います。
従来のスタティック・ストレッチだと、静止した状態で1種類のストレッチを30秒以上続けていたのに対し、ダイナミック・ストレッチでは、通常の運動を、もっと大きく行い、体を温めていきます。たとえば、ジョギングをしながらひざを高く上げたり、逆にお尻を蹴ったりする動作などを行います。
けれども、これを「ストレッチ」と呼ぶこと自体に、「運動前にはストレッチが必要」という思い込みが現れているのではないでしょうか。
同じ時間を、有酸素運動や筋力強化運動に費やしたとしても、おそらく同じ効果が得られると思われます。結局、ウォームアップの主目的は、血流・体液等の循環を良くし、筋肉組織を温めて、細胞のカロリー消費のメカニズムがうまく働くようにすることなので(これが軌道に乗るまでには数分かかります)、目的に合っていれば運動の種類は問わなくても良いかと思います。
ストレッチで柔軟性は上がらない
「ストレッチをすると、筋肉が伸びる」と思っていませんか? 私たちはそれを大前提に、ストレッチが効くと思っているわけですが、最近の研究によると、この説は正しくないらしいのです。となると、巷で言われている「ストレッチをすべき理由」のほとんどに、疑問符がつくことになります。
最近有力な説のひとつは、ストレッチで筋肉が伸びるわけではない、としています。ただし、ストレッチをすると痛みの感じ方が変わるので、運動で筋肉が実際に引き伸ばされたときに、痛みを感じにくくなるのだ、とストレッチの効用を説明しています。
この説に従えば、ストレッチで怪我を防げない理由も説明できるかもしれません。ストレッチをしたからといって、関節や筋肉の動きは何も変わっていないからです。
筋肉を伸ばすことは可能かもしれませんが、ストレッチだけでは無理です。遠心性収縮運動(筋肉を引き伸ばしながら力を入れる運動)などを取り入れてみれば、このような運動が筋肉を伸ばしていくことが実感できるはずです。たとえば、バレエやヨガなどのスペシャリストは柔軟性が極めて高いですが、彼らはレッスンの中で、まさにこのような運動を何百回も繰り返しているのです。